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子どもと熊本へ:公立の小中学校に入る手続きと日本語の支援

外国籍の子も、希望すれば熊本の公立小・中学校に入れます。順番は住所の届出、教育委員会、学校。学年は年齢が原則で、日本語の支援は市町で形が違い、高校の授業料支援は在留資格で分かれます。順番さえ分かれば、子どもの学校探しは怖くありません。

2026年10月19日 更新atlas 編集部(株式会社iSELL)約12分で読めます

坂道の住宅街でランドセルの子どもと手をつなぐ大人の後ろ姿

この記事でわかること

  • 学校はどう決まる? 公立・国立・インターの違い
  • 外国籍の子は「希望すれば」入れる。日本国籍の子は保護者に就学させる義務がある
  • 手続きの順番:住所の届出のあと、教育委員会へ

子どもを連れて熊本に移るとき、学校のことは気がかりですが、順番さえ分かれば怖くありません。外国籍の子どもも、希望すれば公立の小・中学校に入れます。 授業料はかからず、教科書も無償です。

熊本市・菊陽町・合志市・大津町では、窓口も日本語の支援も少しずつ違います(2026年10月19日時点)。atlas TALK にも、学校の選び方についての質問が寄せられています。インターナショナルスクールの学費などは、熊本で学ぶ:日本語学校・日本語教室・インターナショナルスクールの調べ方 に詳しくあります。

学校はどう決まる? 公立・国立・インターの違い

学校の門と横断歩道、奥に山並みが見える通学路

「熊本ではどの学校を選べばよいか」は、まずどの種類の学校に通わせるかで考えると整理しやすくなります。

公立の小・中学校(市町村立) 住所によって通う学校(校区の学校)が指定されます。熊本市は、住所にもとづいて入学校を決め、実際に住んでいないのに住所だけを移して校区外の学校に入ることは認めていません(熊本市)。別の学校を希望する場合の「指定校変更」の制度もありますが、許可の基準があるので、教育委員会に相談します。つまり公立校の場合、学校を選ぶことは、住む場所を選ぶこととほぼ同じです。

国立の小学校 熊本大学教育学部附属小学校は、2026年4月から、多くの授業を英語で行う「国際クラス」を全学年に開設し、外国人・帰国児童の枠を設けています。この枠に志願するには英語でやりとりできることが条件で、2〜6年生への転編入では算数・英語・面接の選考があります(2026年度は3〜6年生が各7名程度)。熊本県内に保護者と住むこと、自宅から徒歩か公共交通機関でおおむね50分以内で通えることなどが条件です(同校の2026年度募集要項)。2027年度の新1年生(2020年4月2日〜2021年4月1日生まれ)の募集は、外国人・帰国児童枠が7名程度で、説明会は2026年11月11日、出願は11月16日〜20日です(説明会は事前申込が必要)。2〜6年生の転編入の募集は、2026年10月19日時点では公表されていません。

インターナショナルスクール 学費や学年の区切りが学校ごとに違います。詳しくは前述の関連記事を見てください。

2026年の地震(令和8年熊本地震)のあと、窓口の場所や学校の状況が変わっているところがあります。

外国籍の子は「希望すれば」入れる。日本国籍の子は保護者に就学させる義務がある

筆箱と色鉛筆のそばでノートに鉛筆で書く子どもの手元

文部科学省によると、日本では外国籍の子どもの保護者に就学義務はありません。ただし、公立の小・中学校に入ることを希望すれば、日本人の子どもと同じように無償で受け入れるとしています(国際人権規約などを踏まえた扱い。文部科学省)。文部科学省は2026年8月28日に改訂した指針でも、教育委員会に対し、外国人の保護者へ公立校に入学できることを案内するよう求めています。

一方、日本国籍の子ども(日本と他の国の国籍を両方持つ子を含む)は、保護者に就学させる義務があります(学校教育法第17条)。インターナショナルスクールの多くは、日本の法律上の小・中学校(一条校)ではありません。日本国籍の子どもをインターナショナルスクールに通わせる場合は、就学義務との関係を、事前に住む市町村の教育委員会に聞いておくと間違いがありません。

手続きの順番:住所の届出のあと、教育委員会へ

窓口で向かい合い、冊子を見ながら話す2人の後ろ姿

公立校に入る手続きは、住所の届出(住民登録)が先です。住所の届出は、住み始めてから14日以内に市役所・町役場で行います(詳しくは 熊本で暮らし始める最初の30日)。そのあと、教育委員会で就学の手続きをして、通う学校が決まります。

市町就学の窓口押さえておくこと
熊本市教育委員会 学務支援課(096-328-2716)海外から来た外国籍の子は、住民票を作ったあと学務支援課で手続きし、新しい学校を指定した用紙を受け取る。日本国内の学校から移る場合も、新しい学校を指定した用紙を受け取り、在学証明書と教科用図書給与証明書を見せる。住民票の異動と転校の時期が違う場合や、国立・私立から移る場合は学務支援課に相談する
菊陽町教育委員会 学務課(096-232-4918)住所の届出のとき役場で案内される。町の「転校児童・生徒情報連絡」フォームに入力すると、学務課から連絡が来る
合志市学校教育課(096-248-2366、市役所防災センター棟2階)引越しが決まった時点で、市の専用フォームか電話で教育委員会に事前報告する。前の学校の在学証明書などを、住所の届出のあと新しい学校に出す
大津町学校教育課(096-293-3349)転校が決まったら、いまの学校、転校先の学校、学校教育課にできるだけ早く連絡する

熊本市の学務支援課は、2026年9月時点で熊本市中央区花畑町9番6号(SPring熊本花畑町5階)にあります(熊本市)。菊陽町・合志市・大津町の電話番号は、文部科学省が2026年7月に公表した就学援助の担当部署の一覧と、各市町のページにもとづきます。

学年と入学の時期:4月始まり、学年は年齢で決める

桜の木と開いた校門、校舎が見える春の学校

日本の学年は4月1日に始まり、翌年3月31日に終わります(学校教育法施行規則第59条)。小学校1年生は、満6歳になった翌日以後の最初の4月から始まります(学校教育法第17条)。たとえば熊本大学教育学部附属小学校の募集要項では、2026年度の2年生を「2018年4月2日〜2019年4月1日生まれ」としています。台湾とは学年の区切りが違うため、台湾で通っていた学年と同じ学年になるとは限りません。

学年の決め方 文部科学省は、外国籍の子どもの学年は年齢に合った学年が原則としています。ただし、日本語がまだ十分でない、学んできた内容や順番が違うなどの理由で、すぐにその学年で学ぶのが適切でないと認められる場合は、一時的に、または正式に、下の学年に入ることも認められています。決める前に、本人と保護者に丁寧に説明することも求めています(文部科学省の指針)。

入る時期 新しく小学1年生・中学1年生になる子には、市町から入学の通知が届きます(熊本市・大津町は1月末まで)。年度の途中に熊本に来た場合は、その時点で転入(編入)の手続きをします。

日本語の支援:市町によって形が違う

教室で先生と2人の子どもが絵カードを並べて見る後ろ姿

日本語の支援は、住む市町によって体制が違います。2026年10月時点で分かっている体制は次のとおりです。

熊本市 黒髪小学校をセンター校、楠小・城南小・月出小を拠点校、桜山中学校を兼務校とし、日本語指導の担当教員と協力員が指導します。日本語教室は拠点校以外の、住む地域の小・中学校でも行われています(詳しくは学務支援課)。編入したばかりの子には、日本語指導支援員が最初の2週間ほど学校生活全般を手伝い、編入時や面談では学校通訳の有償ボランティアが通訳します。流れは「転入手続き → 編入学 → 日本語指導の案内 → 子ども・保護者・学校との面談 → 指導内容の協議 → 指導開始」です。日本語指導を受けた子どもは2024年度99人、2025年度83人でした(熊本市・2026年9月14日更新)。

菊陽町 武蔵ヶ丘小学校・武蔵ヶ丘中学校が日本語指導の受入拠点校です。日本語がまったくできない子や、レベルチェックで必要とされた子に、テキストを終えるまで(200コマ程度)初期指導をする事業を、熊本県と町が行っています。日本語生活支援員・日本語指導員・日本語指導相談員を置き、中国語や英語での案内や、保護者への通訳・翻訳の支援も行っています(文部科学省に提出された町の2025年度事業報告)。町内で日本語指導が必要な子どもは2023年度14人、2024年度17人と増えています。

大津町 室小学校が熊本県の日本語指導拠点校の一つです。2025年度には、県のモデル事業として外国にルーツを持つ親子の勉強会も開かれました(文部科学省に提出された熊本県の2025年度事業報告)。

合志市 日本語指導の体制を説明した市の公表資料は、2026年10月19日時点で見つけられませんでした。転入前に学校教育課(096-248-2366)へ電話で聞くのが近道です。

熊本県も、日本語指導ができる人材の育成や、支援員の派遣、相談窓口の運営を進めています。一方で県は、受け入れの体制に市町村によって差があること、指導者が足りないことを課題に挙げています。どの学校で、どのくらいの時間、どんな形で日本語を学べるかは、市町と学校の体制しだいです。引っ越し先が決まったら、希望を教育委員会に伝えるところから始まります。

授業料・教科書・給食・就学援助

焼き魚、ご飯、みそ汁、炒め物、牛乳が載った給食のトレー
項目内容
授業料公立の小・中学校はかからない
教科書国公私立の義務教育の学校に通う子どもに無償で配られる。年度の途中で転校し、使う教科書が変わる場合も新しく配られる(文部科学省)
給食費国は2026年4月から、公立小学校の給食の食材費を支援している(1人月5,200円が基準)。給食費が基準を超える市町村では、保護者の負担が残る場合がある。中学校は国の支援の対象外で、扱いは市町村ごとに違う。菊陽町は2025年4月から小中とも無償、合志市は2026年4月から小学校が無償、熊本市は小学校が無償・中学校は有料(大津町は町の窓口へ)
学用品・制服など自己負担。経済的に苦しい家庭は、次の就学援助の対象になることがある

就学援助 経済的な理由で学校に通うのが難しい家庭に、市町村が学用品費や給食費などを援助する制度です。対象の基準は所得などで決まり、市町村によって違います。年度の途中で転入した場合の扱いは、次のとおり公表されています。

  • 菊陽町:小学校の新入学、年度途中の転入などは随時受け付け。学校に申し出る
  • 合志市:転入などで経済状態が悪化した場合は随時受け付け。学校教育課でも受け付ける
  • 大津町:申請は随時受け付け。年度当初の期限を過ぎると、満額にならない場合がある
  • 熊本市:転入や、急に経済状況が悪くなった場合は随時申請できる。申請書は在籍する学校に出す

中学生の子は、高校進学を先に調べる

制服にリュック姿の高校生が校舎へ歩いていく後ろ姿

日本の高校は義務教育ではなく、入るには入学者選抜(入試)があります。中学生の年齢で熊本に来る場合は、来る前から高校進学の見通しを持っておくと安心です。

熊本県立高校の入試での配慮 熊本県の2027年度入試の要項では、外国人生徒などで特別の配慮が必要な場合、県教育委員会の承認を受けて、検査時間の延長などの措置をとるとしています。さらに、後期(一般)選抜には、原則として入国後に小学4年生以上の学年に編入した外国人生徒など(2021年4月1日以降に入国した人)を対象とした特別措置があります。5教科から選んだ3教科の学力検査と、作文・面接で選抜し、入れる人数は各校の募集人員の中で若干名です。申請は在籍する中学校の校長を通じて行います。

県は、日本語指導が必要な生徒と保護者向けに、中国語・英語・韓国語などで進学説明会も開いています。日本語指導の拠点校の県立熊本北高校などに、中国語の通訳(多文化共生マイスター)を置いています(熊本県の2025年度事業報告)。また、県立八代高校には国際バカロレアのコース(募集10人程度)があります。

高校の授業料の支援(就学支援金) 2026年4月から、日本国籍などの生徒は世帯の所得に関係なく就学支援金の対象になりました。日本国籍以外の生徒は、国籍・在留資格の要件に加えて所得の確認があります(熊本県)。外国籍の生徒は在留資格によって対象が分かれます。対象は、日本国籍・特別永住者・永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者(将来永住する意思があると認められた人)です。「家族滞在」の生徒は、日本の小学校と中学校を卒業し、高校卒業後に日本で働いて定着する意思があると認められた場合に限られます。対象にならない生徒には、2025年度までの就学支援金に相当する額を支給する「高校生等・新修学支援」があります(文部科学省)。自分の子どもがどちらに当たるかは、進学先の学校か県に聞けば答えが出ます。

まとめ

机の上に積まれたプリント類とカレンダー、湯のみ
  • 入れるか:外国籍の子も、希望すれば公立の小・中学校に入れる。授業料はかからず、教科書は無償。日本国籍の子(二重国籍を含む)は、保護者に就学させる義務がある
  • 順番:住所の届出 → 教育委員会(熊本市は学務支援課) → 学校。公立校は住所で決まる
  • 学年:4月始まり。年齢に合った学年が原則で、下の学年に入ることも相談できる
  • 日本語:熊本市はセンター校と支援員、菊陽町は武蔵ヶ丘小・中が拠点校。体制は市町で違う
  • お金:給食費と学用品の負担は市町村で違う。就学援助は4市町とも年度途中の申請を受け付けている(対象になる条件と受付の方法は市町ごとに違う)
  • 高校:入試に外国人生徒の特別措置がある。授業料の支援は在留資格で扱いが分かれる

新しい学校の門をくぐる日が、お子さんにとって楽しみな一日になりますように。

※2026年10月19日時点の情報です。在留資格の判断は、出入国在留管理庁や行政書士などの専門家の領分です。

次にすること

出典

  1. 文部科学省「外国人の子等の就学に関する手続について」
  2. 文部科学省「外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等に関する指針」(2026年8月28日改訂)
  3. 文部科学省「外国人の子供の就学の促進及び就学状況の把握等について(通知)」(2019年3月15日)
  4. e-Gov法令検索「学校教育法」第17条(就学させる義務)
  5. e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」第59条(学年は4月1日から翌年3月31日まで)
  6. 横浜市「インターナショナルスクール等への就学について」(2025年7月3日更新。日本国籍と外国籍を両方持つ子の就学義務)
  7. 熊本市「外国からの編入学等について」(2024年4月1日更新)
  8. 熊本市「熊本市立小中学校について(各種手続等)」(2026年9月7日更新)
  9. 熊本市「日本語指導の充実」(2026年9月14日更新)
  10. 熊本市「令和8年度(2026年度)就学援助申請」(2026年5月12日更新)
  11. 熊本市「令和9年度就学援助(新入学児童生徒学用品費)の入学前支給のお知らせ」(2026年9月18日更新。学務支援課の所在地)
  12. 熊本市「家庭環境に左右されない学習機会の充実」(2026年9月30日更新)
  13. 文部科学省「就学援助制度の周知状況等(熊本県)」(市町村の担当部署・連絡先の一覧、2026年7月)
  14. 菊陽町「要保護及び準要保護児童生徒就学援助費について」(2023年8月4日更新)
  15. 文部科学省 令和7年度 帰国・外国人児童生徒等教育の推進支援事業 事業内容報告書の概要【菊陽町】(2026年6月29日掲載)
  16. 文部科学省 同【菊陽町教育委員会】成果イメージ(拠点校・初期指導200コマ程度)
  17. 文部科学省 令和7年度 外国人の子供の就学促進事業 事業内容報告書の概要【菊陽町】(2026年6月29日掲載)
  18. 文部科学省 令和7年度 帰国・外国人児童生徒等教育の推進支援事業 事業内容報告書の概要【熊本県】(2026年6月29日掲載)
  19. 文部科学省 同【熊本県教育委員会】成果イメージ(日本語指導拠点校)
  20. 合志市「就学援助制度について」(2026年5月12日更新)
  21. 大津町「就学援助」(2026年5月1日更新)
  22. おおづまち子育てハンドブック(2026年度版)9.小・中学生になったら(令和8年4月1日時点)
  23. 熊本大学教育学部附属小学校 公式サイト(募集・説明会の案内)
  24. 熊本大学教育学部附属小学校 募集要項(PDF)
  25. 熊本大学教育学部附属小学校「令和8年度(2026年度)転編入学児童募集要項(国際クラス【外国人・帰国児童枠】)」
  26. 文部科学省「教科書無償給与制度」
  27. 文部科学省「学校給食費の抜本的な負担軽減」(2026年4月開始)
  28. 熊本県教育委員会「令和9年度(2027年度)熊本県立高等学校入学者選抜要項」(2026年8月27日。Ⅷ 海外帰国生徒等の取扱い)
  29. 熊本県教育委員会「令和9年度 国際バカロレアに係る入学者選抜における重視する観点等」(2026年9月15日)
  30. 熊本県「高等学校等就学支援金制度について(公立)」(2026年9月14日更新。国籍・在留資格等の要件)
  31. 合志市「転入・転出・転校の手続き」(2026年9月24日更新。引越しが決まったときの事前報告)
  32. 菊陽町「転校児童・生徒情報連絡」(2026年7月14日更新)
  33. 菊陽町「学校給食費の無償化」(給食費)
  34. 合志市「学校給食費の無償化」(給食費)
  35. 文部科学省「高校生等への修学支援」(高校生等・新修学支援を含む)

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学校のようすは、通わせている人の経験も手がかりになる。

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