この記事でわかること
- 台湾の免許は「日本語の翻訳文」とセットで
- 運転できるのは「上陸した日から1年」
- 在留資格で変わること
台湾の運転免許証は、日本語の翻訳文とセットで持てば、日本に上陸した日から1年間、熊本でもそのまま運転できます。国際運転免許証は要りません。そもそも、台湾の「國際駕照」は日本では使えません。
ただ、1年はあっという間です。熊本は車が無いと動きにくい地域が多く、住み続けるなら、どこかで日本の免許への切替(外免切替)が必要になります。2026年10月26日時点の制度で、流れは次のとおりです。
| 立場 | 運転のしかた | 次の一手 |
|---|---|---|
| 旅行・出張(短期滞在) | 台湾の免許証+日本語翻訳文+パスポート | できない(住民票が要り、例外は外交官などに限られるため) |
| 熊本に住む(住民登録をした人) | 上陸から1年は、台湾の免許証+翻訳文で運転できる | 1年が切れる前に、熊本県運転免許センター(菊陽町)で切替 |
台湾の免許は「日本語の翻訳文」とセットで

道路交通法では、国際運転免許証を出していない国・地域のうち、政令で決めたところの免許証は、決められた機関が作った日本語の翻訳文を添えれば、日本で運転できる免許証として扱われます。対象はスイス・ドイツ・フランス・ベルギー・モナコと台湾の6つです(道路交通法施行令第39条の4)。
翻訳文は、自分で訳したものや、ふつうの翻訳会社のものでは通りません。作れるのは次の機関です(道路交通法施行令第39条の5・熊本県警察)。
- 免許を出した台湾の役所(交通部公路局の監理所)
- 台湾日本関係協会(日本での受付は台北駐日経済文化代表処と、大阪・福岡などの弁事処)
- JAF(日本自動車連盟)、ジップラス株式会社、一般社団法人訪日運転者支援協会
どこで取るのが早いか
- 台湾を出る前:台湾の監理所の窓口で、身分証と免許証を出して申請できます。監理服務網からオンラインで申し込み、郵送で受け取ることもできます(交通部)。
- 日本に来てから(JAF):オンライン申請だけで、窓口や郵送では受け付けていません。申請できるのは日本国内からだけです。台湾の免許なら平均2〜3営業日で、コンビニで印刷して受け取ります。料金は、日本で運転するためなら6,000円、日本の免許に切り替えるためなら6,600円(2026年7月1日から)。申込みのときに使い道を選びます。ただしコンビニの現金払いを選ぶと、支払いの案内メールが届くまで1〜2週間かかることがあるので、急ぐならクレジットカード払いが早道です。
- 日本に来てから(代表処):代表処の翻訳文は、住んでいる地域を受け持つ館で申請します。熊本県は、福岡市にある台北駐大阪経済文化弁事処 福岡分処の管轄です(092-734-2810、平日9時〜18時)。手数料と日数は館ごとに決まっていて、東京の代表処と大阪の弁事処は1通400円、日数は東京が約10営業日、大阪が約5営業日です。
運転するときは、台湾の免許証の原本と翻訳文の両方を持っていないといけません(道路交通法第107条の3)。台湾の免許証を更新したり、住所などの記載が変わったりしたら、翻訳文も取り直しになります(JAF)。
運転できるのは「上陸した日から1年」

翻訳文で運転できるのは、日本に上陸した日から1年間です。台湾の免許証の有効期限がそれより先に来るなら、その日までになります(警視庁)。
日本と台湾を行き来している人は、いちばん最後に上陸した日から数えます。ここで、熊本に住民登録をしている人には大事な例外があります。
- 再入国許可(空港で手続きする「みなし再入国許可」を含む)を受けて日本を出て、出国の日から3か月未満で戻ってきた場合、その上陸の日からは数え直しません
- 3か月以上たってから戻った場合は、その上陸の日から、新しく1年を数えます
つまり、住んでいる人が台湾へ短く帰省しても、1年はリセットされません。
1年を過ぎてから運転すると、法律上は無免許運転と同じ扱いになり、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です(道路交通法第117条の2の2)。
在留資格で変わること

| 在留資格 | 翻訳文での運転 | 日本の免許への切替 |
|---|---|---|
| 短期滞在(観光・出張など) | 上陸から1年まで(滞在できる期間の範囲で) | できない(住民票が要り、例外は外交官などに限られるため) |
| 中長期の在留資格(技術・人文知識・国際業務、留学、家族滞在、永住者など)で住民登録をした人 | 上陸から1年まで。3か月未満の帰省では数え直さない | できる。熊本県内に住民票があれば |
2025年10月の改正のくわしい内容は、下の「手数料と、2025年・2026年に変わったこと」に書いています。観光などの短期滞在の人は、住民票が要り、外交官など一部の例外を除いて申請できないため、日本の免許には切り替えられません。
台北駐日経済文化代表処は、中長期の在留資格で日本に住む人に対して、日本の免許に切り替えてから運転するよう呼びかけています。無免許運転になると、在留資格の更新にも響くおそれがあるとしています。法律上は1年のあいだ翻訳文で運転できますが、住むと決めたなら、切替を先に済ませてしまうのがいちばん確実です。
日本の免許への切替(熊本県運転免許センター)

熊本県での切替は、菊陽町にある熊本県運転免許センターの2階、運転免許試験課で受け付けています(熊本県警察、2026年10月1日更新)。
台湾の免許は、知識の確認(筆記)と技能の確認(実技)が免除です(熊本県警察の免除国・地域一覧)。書類審査と面接、視力などの適性試験を通れば、日本の免許(第一種)になります。
予約(完全予約制)
- 電話:096-233-0116(音声案内で2→3)
- 受付:平日の11時〜12時、14時〜16時
- 電話は日本語のみ。電話のときは、台湾の免許証とパスポートを手元に置いておきます
予約なしで行っても、その日に切替はできません。予約は混み具合で先になることもあるので、住むと決めたらまず予約を取り、1年の残りから逆算します。
切替の条件
- 熊本県内に住民票があること
- 有効な台湾の免許証を持っていること
- 免許を取ったあと、台湾に通算3か月以上いたこと
主な持ち物(すべて原本)
- 台湾の免許証と、日本語の翻訳文
- 住民票:発行から6か月以内。国籍、在留資格、在留期間、在留カードの番号などが省略されずに載っているもの
- パスポート(台湾にいた期間を示すため、古いパスポートも全部)。パスポートで滞在が確かめられないときは、内政部移民署の「入出國日期證明書」が要ります
- 在留カード
- 写真2枚(縦3cm×横2.4cm、6か月以内に撮ったもの。当日センターで撮ることもできる。有料)
- 手数料(現金のみ)
- 眼鏡(必要な人)、通訳の人(日本語が話せない人)
住民票は、住所の届出をしたあとでないと出せません。熊本に着いてからの住所の届出の流れは「熊本で暮らし始める最初の30日」に書いています。
日本語が話せない場合
日本語でやりとりできない人は、通訳の人と一緒に行くことになっています。意思の疎通が十分にできないと、切替はできません(熊本県警察)。知識確認には中国語など20の言語の問題がありますが、台湾の免許は知識確認そのものが免除です。
免許を取ってから1年以上たっていることを証明できれば、初心者マークの表示が要らなくなる場合もあります(熊本県警察)。
手数料と、2025年・2026年に変わったこと

手数料(現金のみ)
熊本県の手数料表(2025年3月24日現在)では、普通免許への外免切替は、申請手数料2,500円に、交付手数料が加わります。
| 受け取る形 | 交付手数料 | 合計 |
|---|---|---|
| 免許証だけ | 2,350円 | 4,850円 |
| マイナ免許証だけ | 1,550円 | 4,050円 |
| 免許証とマイナ免許証の両方 | 2,450円 | 4,950円 |
免許センターにはATMがありません。翻訳文の料金(JAFなら6,600円)は別にかかります。
2025年10月1日から
道路交通法施行規則が改正され、外免切替の審査が厳しくなりました。
- 外国籍の人の切替では、在留資格・在留期間・在留カード番号などが省略されずに載った住民票の写しが必要になりました(以前は国籍などの記載で足りていました)。住民票の無い人は、それまでパスポートなどで申請できましたが、改正後は外交官などの一部を除いて申請できなくなりました(道路交通法施行規則第17条第2項)。熊本県警察は在留カードの原本も求めています
- 知識確認は、イラストの10問から文章の50問に。45問以上の正解(90%)が必要です
- 技能確認には、横断歩道の通過などの課題が加わりました
台湾の免許は知識・技能の確認が免除なので、台湾から来て住む人に効くのは、住民票を「省略なし」で取る必要があることです。
2026年に動いたこと
- 警察庁が事務の要領を改め、技能確認のやり方を2026年4月1日から変えました。台湾は技能確認が免除なので、直接は関係しません
- JAF の翻訳文は、切替に使う目的なら2026年7月1日から6,600円(それまでは6,000円)になりました
- 翻訳文で運転できる「上陸から1年」のルール(道路交通法第107条の2)は、2026年10月26日時点で変わっていません
レンタカーを借りるとき

台湾の免許で日本のレンタカーを借りるときは、パスポート・台湾の免許証・日本語の翻訳文の3つを同時に見せます。入国日も見られます。上陸から1年を過ぎていないかを、パスポートで確かめるためです。入国日が確かめられないと貸さない会社もあるので、空港の自動化ゲートを通るときは、係員に上陸のスタンプを頼んでおきます。
クレジットカードの要否や、営業所ごとの細かい条件は、会社によって違います。予約のときは「台湾の免許と翻訳文で借りられますか」と一言添えるだけで、当日の窓口で止まらずに済みます。阿蘇へ車で出かけるなら、道や季節の注意を「阿蘇の日帰りドライブ」にまとめています。
違反や事故のとき

事故を起こしたら、すぐに運転をやめて、けがをした人を助け、ほかの車が巻き込まれないようにしてから、警察に連絡します(110番)。日時と場所、けが人の数、壊れた物などを警察官に伝える義務があります(道路交通法第72条)。
上陸から1年を過ぎての運転や、翻訳文を持たずに運転することは、それ自体が違反です。違反や事故の内容によっては、翻訳文での運転そのものを一定の期間禁止される処分もあります(道路交通法第107条の5)。
レンタカーなら、警察のあとに営業所にもすぐ連絡します。警察に届けていない事故は、借りたときの保険や補償が使えないのがふつうです。上陸から1年を過ぎての運転は無免許運転になり、保険で補償されない部分が出ます。
次にすること
- 住むなら、まず住所の届出をして、住民票を取れるようにする
- 上陸した日をパスポートで確かめ、翻訳文で運転できる最後の日をカレンダーに書く
- 熊本県運転免許センター(096-233-0116、平日11〜12時・14〜16時)に電話して、外免切替の予約を取る
- → atlas TALK の「暮らし・移住」で、熊本で車を使っている人に聞く 予約がどれくらい先だったか、駐車場や冬の道のことは、住んでいる人の経験が参考になります
※2026年10月26日時点の情報です。手数料や必要書類は改定されることがあり、最新は熊本県警察・JAF・台北駐日経済文化代表処の案内で、在留資格のことは出入国在留管理庁の案内で。
出典
- e-Gov 法令検索「道路交通法」(第72条、第107条の2、第107条の3、第107条の5、第117条の2の2。2026年7月21日施行の改正まで反映)
- e-Gov 法令検索「道路交通法施行令」(第39条の4、第39条の5)
- e-Gov 法令検索「道路交通法施行規則」(第17条第2項)
- 警察庁「「外国免許等関係事務取扱い要領」の改正について(通達)」(2026年1月8日、警察庁丙運発第59号。2026年4月1日から運用)
- 警察庁「外免切替手続の見直し(案)」(2025年7月の意見募集資料)
- 警視庁「政令で定められた国等の外国運転免許証で日本国内を運転するには」(2025年12月5日更新)
- 警視庁「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには」(2026年9月7日更新。2025年10月1日の施行規則改正)
- 栃木県警察「運転免許試験、外国免許切替の手続きを受ける外国籍の方へ」(2026年3月17日更新)
- 熊本県警察「外国免許から日本免許への切替え(要予約)」(2026年10月1日更新)
- 熊本県警察「必要書類チェックリスト」(PDF)
- 熊本県警察「国別必要証明書類一覧」(PDF)
- 熊本県警察「運転免許試験手数料」(2025年3月24日更新)と「運転免許試験等手数料表」(PDF、令和7年3月24日現在)
- JAF「運転免許証の翻訳文の申請方法」(2026年7月1日の料金改定を含む)
- JAF「關於「日語翻譯」的指南」(繁體中文、2026年4月版)
- 台北駐日經濟文化代表處「台灣駕照之日文譯本申請」
- 台北駐大阪經濟文化辦事處「有關持有我國駕駛執照擬在日本國內駕駛之相關規定」
- 台北駐大阪經濟文化辦事處福岡分處「駐福岡弁事処業務内容」(管轄は九州・山口の8県)
- 交通部「線上申請駕照日譯本,日本自助駕車好通行!」(2017年8月7日)
- レンタカー会社の案内の例(トヨタレンタカー)
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