この記事でわかること
- 線路のはずが、水が出た:高森湧水トンネルの由来
- トンネルの中を歩く:公開は約550m、中は年中17℃
- 高森田楽:約250年前、旅の村人が持ち帰ったと伝わる味
高森のトンネルは、本当は列車を通すために掘られました。1975年2月、掘っている途中で大量の水が噴き出し、列車は通らないまま、いまは毎分32トンの湧き水が流れています。
前編の「阿蘇はどうやってできた?」では、阿蘇の火山灰の土、白川水源の毎分60トンの水、健磐龍命の伝説を読みました。高森は、その続きの町です。
線路のはずが、水が出た:高森湧水トンネルの由来
熊本から宮崎県の延岡へ鉄道を通す構想は、明治29年(1896年)からあった、と高森観光推進機構は案内しています。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1896年(明治29年) | 熊本〜延岡の鉄道構想 |
| 1973年12月 | 旧国鉄の高森線と高千穂線をつなぐ工事に着手(観光推進機構の案内で「高森・高千穂間(全長6,480m)」) |
| 1975年2月 | 坑内で大量の出水。入口から約2kmの地点で水が噴き出した |
| 1980年 | 観光推進機構の案内では、この年に工事を中止(町の案内には中止の年がありません) |
観光推進機構の案内では、工事は「高森・高千穂間(全長6,480m)」の計画で、2,055m掘ったところで止まりました。町の案内でも、トンネルの全長は2,055mです。
トンネルの中を歩く:公開は約550m、中は年中17℃
2,055mのうち、歩けるのは約550mです。水路には、町の案内では毎分32トン、観光推進機構の案内では毎分36トンの湧き水が流れています。前編の白川水源の、およそ半分の量です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 営業時間 | 4〜10月は9:00〜18:00、11〜3月は9:00〜17:00。入園は閉園の30分前まで |
| 料金 | 中学生以上300円、小学生100円、未就園児は無料 |
| 休み | 湧水館(水の資料館)だけ月曜休館(祝日は営業)。休園日の案内は見当たりません |
| 行き方 | 南阿蘇鉄道の高森駅から歩いて約10分。駐車場は325台 |
イベントの期間は閉園時間が変わることがある、とも案内されています。
高森田楽:約250年前、旅の村人が持ち帰ったと伝わる味
高森田楽の里の説明では、田楽という名前は、五穀豊穣を祈る農家の踊り「田楽舞い」に由来します。高森の田楽は、およそ250年前にはじまったと言われています。
前編で読んだ阿蘇の火山灰の土は、ここにもつながります。店の説明では、高森には「鶴の子芋」という芋があります。形が鶴の首に似ていて、10月半ばから数か月、店で使われます。火山灰土のやせた土地でしか育たず、栄養が多いと普通の里芋になる、とされています。生産する農家が減って、いまは貴重な芋です。
田楽の里:囲炉裏を囲んで、自分で焼く
高森田楽の里は、築200年以上の茅葺の母屋を中心にした店です。最大で200人が入れます。



写真は夏のもので、扇風機が並んでいます。


豆腐、里芋、川魚の串が炭火のまわりに立ち、網の上には肉や野菜も見えます。網の上の肉や野菜は、田楽定食とは別の注文の品です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 田楽定食 | 2,690円(税込。2026年10月時点) |
| 中身 | 田楽(いも、やまめ、豆腐、沢がにとなす、こんにゃく)、だご汁、きびめし、生揚げ、付出し、漬物。串は1本から注文できる |
| 営業時間 | 公式の営業案内の夏時間(表記は「令和7年3月15日〜11月末」)は、平日11:00〜20:00、土日祝10:00〜20:00。受付は19:00まで。状況により15:00〜17:30に中休みがある |
| 休み | 不定休。臨時休業は公式サイトで告知されます |
| 予約 | 電話のみ(0967-62-1899)。当日は断られることがある。17時以降の予約は要問い合わせ |
熊本県観光連盟の案内では、根子岳を眺めながら食事ができます。
田楽が食べられる店はほかにもあります。上色見にある「高森田楽保存会」は、田楽の里とは別の店です。
行き方:南阿蘇鉄道と車
高森へは、JR豊肥線で立野まで行き、南阿蘇鉄道に乗り換えます。南阿蘇鉄道は2016年の熊本地震で全線が運休しました。2023年7月15日に高森〜立野の全線で運転を再開し、同じ日にJR肥後大津駅への乗り入れも始まりました。
| 手段 | 目安 | メモ |
|---|---|---|
| 南阿蘇鉄道(立野〜高森) | 約31〜34分(普通列車)、大人550円 | 運賃は2026年10月1日から。直通は朝の2往復 |
| 車(熊本市内から) | 約90分 | 田楽の里の案内。熊本ICからは100分(町の案内) |
阿蘇くまもと空港からのバスは、「台湾から熊本への行き方」に書いています。車で来るなら、冬道の注意は「熊本市から日帰りで行く阿蘇ドライブ」が先です。
前編の神さまの続き:高森で寄りたい3か所
前編に出てきた健磐龍命は、高森の神社にも続いています。
草部吉見神社は、日本三大下り宮の一つとされ、鳥居より下に社殿があります。130段の石段を降りた先に社殿があり、その裏手に幹回り7.7m・樹高40m超の大杉があります。創建は阿蘇神社より古いとされ、健磐龍命と共に阿蘇を治めたとされる神をまつります。高森駅から車で約23分で、公共交通での行き方は観光推進機構のページに載っていません。
高森殿の杉は、樹齢が400〜1,000年と推定される杉です。戦国時代の1586年、高森城主がここで自刃したと伝わり、それが名の由来です。高森駅から車で約7分です。
冬に行くなら、地震のあとのこと
冬は、閉まる時間が早くなります。トンネル公園は11〜3月が17:00閉園(入園は16:30まで)です。田楽の里も冬は閉店が早くなり、昨季は平日18:45でした。今季の冬の時間は、10月29日時点で出ていません。
道路は、高森町が「道路情報カメラ」のページに、立野・栃の木の交差点と、高森峠(国道265号)のカメラ、積雪・凍結の規制情報へのリンクを置いています。高森峠の冬の規制がどのくらいの頻度かは、公式の資料では見つかりませんでした。
※2026年10月29日時点の情報です。営業時間・料金は、トンネル公園は高森観光推進機構、田楽の里は公式サイト、列車の時刻は南阿蘇鉄道のサイトが最新です。特定の施設・交通機関の広告ではなく、掲載料はいただいていません。
次にすること
- 阿蘇の成り立ちから読むなら、前編「阿蘇はどうやってできた?」へ
- 車で回るなら、ルートと冬道の注意を「熊本市から日帰りで行く阿蘇ドライブ」で見ておく
- 高森の季節ごとのようすは、近くに住む人に聞くのが早い。atlas TALK の「暮らし・移住」で聞いてみる
出典
- 高森町「高森湧水トンネル公園」
- 高森観光推進機構「高森湧水トンネル公園」
- 熊本県観光連盟「高森湧水トンネル公園」
- 高森町「平成28年熊本地震 高森町復旧・復興計画」(平成29年3月)
- 高森町「防災・緊急情報」
- 高森町「道路情報カメラ」
- 高森田楽の里 公式サイト
- 高森田楽の里「伝統と味」
- 高森田楽の里「田楽定食」
- 高森田楽の里「定食メニュー」
- 高森田楽の里「営業案内」
- 熊本県観光連盟「高森田楽の里」
- 南阿蘇鉄道「7月15日ダイヤ改正(全線運転再開)について」(令和5年5月19日)
- 南阿蘇鉄道「時刻表」
- 南阿蘇鉄道「お知らせ」(2026年10月2日)
- 南阿蘇鉄道「運賃改定の実施について【2026/10/1〜】」
- 熊本県観光連盟「上色見熊野座神社」
- 高森観光推進機構「上色見熊野座神社」
- 高森観光推進機構「草部吉見神社」
- 高森観光推進機構「高森殿の杉」
- 高森観光推進機構「高森田楽の里」
この記事を読んだあとに
行ってよかった場所は、地元の人に聞くのも手。








